ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う

ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う(2010/石井隆)銀座シネパトス10/27
竹中直人はグダグダ言ってないで早く佐藤寛子に殺されろよ、と思いながら観ていた。大芝居の間が持たなくてオカルトに行ってしまうが、ならオカルトも絵にした方が良い。結局惜しみ無く奪われてしまうのは佐藤寛子であり、シミジミと心の傷を癒す風情で元・真中瞳のそれも奪うのであろう竹中直人が恐ろしい、という映画。
竹中がせっかく「俺をハメやがった」と憤ったのを簡単に佐藤にハマらせてしまうのが私のノワール魂をヘコませる。まあそこであれこれ丁丁発止してたら佐藤が脱ぎ損になるからな。女優が脱ぐ、という前提があってそれを崇める男を必ず立てるのが石井映画なんだろうが。私は嫌いだが、世界的に紹介されるべき個性だとは思う。
自分を紹介する為に過去を調査させる、という設定は、どうしても『恋人たちの時刻(1987/澤井信一郎)』を思い起こさせるが、さらに原典があるのだろうか?